世界的人気を誇るBTSの新曲「Permission to Dance」のMVが7月9日(金)に全世界同時公開されました。
その中には様々なメッセージが込められていること、特に特別な振り付け-国際手話が含まれていることでも話題になっています。
WHOテドロス事務局長も、公式Twitterで「MVに手話を取り入れてくれてありがとう」とコメントを投稿するなど、各方面からの注目を集めているBTSのMV、特に手話の振り付けについて解説していきます。
特別な振り付け以外の“仕掛け”にも注目です。
BTSの新曲「Permission to Dance」手話の意味は?
MVが公開されるやいなや再生回数は5000万回を超え、そのパフォーマンスの中に「特別な振り付け」があること気付いたファンも多かったようです。
MVでは「we don’t need permission to dance(僕たちが踊るために許可は要らない)」の歌詞に合わせ、自由に軽快なダンスをする人々が次々に映し出されています。
その中でBTSのメンバーのほか多彩な年齢、職種、容姿を持つ人々が披露しているのは
・ジョイフル(楽しい)
・ダンス(踊る)
・ピース(平和)
これらを意味する、国際手話を使ったパフォーマンスです。
BTSの新曲「Permission to Dance」歌詞の意味、日本語訳は?
♪When it all seems like it’s wrong
Just sing along to Elton John
And to that feeling, we’re just getting started
(すべてが間違っているかのように感じる時
ただ、エルトン・ジョンの歌を一緒に歌おう
そう感じたことが、僕たちのスタート)
ジョングクさんが空に放った「希望」の紫の風船とBTSの歌声に促されるように、風船を目にした人が立ち上がり、ステップを踏み始めます。
一人がはじめたそれは次第に周りを巻き込み、壮大なダンスシーンへと繋がっていく様は圧巻です。
♪I wanna dance
The music’s got me going
Ain’t nothing that can stop how we move yeah
(踊りたい
音楽が僕を動かす
僕らを止められるものなんてないんだ)
♪Don’t need to talk the talk, just walk the walk tonig
’Cause we don’t need permission to dance
(言葉は要らない、ただ今夜を楽しもう
だって、僕たちが踊るために許可は要らない)
MVではマスクを脱ぎ捨て笑顔を見せる人々に、メンバーの高く高く掲げるVサインが重なります。
このMVに登場する人物たちは、マスクをしながらもパンケーキを運ぶカフェ店員、学生、カップル、清掃員、子どもたちと実に多種多様です。
言葉はいらない、自由に踊ろう、という歌詞には、マスクを脱ぎ捨てる様子に象徴されるようなコロナウイルスに打ち勝ち得る自由だけではなく、年齢や国籍、言葉の壁を越えて人々の多様性を認め合い、それぞれが自由に生きる「未来」への希望が込められているように感じられますね。
画面いっぱいにあふれる幸せなメンバーたちのダンス、そして
♪We don’t need to worry
‘Cause when we fall we know how to land
(なにも心配はいらない
だってもし転んだってどう着地するのか知っているから)
BTSの心強い歌声と歌詞が、私たちをその「未来」へ踏み出す後押しをしてくれているようです。
(歌詞はHYBE LABELS「BTS ‘Permission to Dance’ Official MV」より引用
https://youtu.be/CuklIb9d3fI)

BTSの新曲「Permission to Dance」手話や振り付けを紹介
ここで、話題の国際手話の振り付けを紹介します。
とても簡単な動作なので、是非踊ってみてください。
ジョイフル(楽しい)
両手の親指のみを伸ばし、他の指は軽く内側に折り、その手を胴体の前で交互に上下させる(体を掻くような動作)
ダンス(踊る)
ピースサインのように右手の人差し指と中指をのばし、左の手のひらの上で左右に振る。手のひらの上で楽しく踊っているイメージ
ピース(平和)
人差し指と中指を伸ばし、両手でVサインを作る
たったこれだけで「楽しい」「踊る」「平和」が表現できます!
ちなみに、国際手話でなく日本の手話は以下の動作です。
・楽しい:指を折らず、手のひらを体に向けて、交互に上下させる
・踊る:国際手話と同じく、右手でピースを作り左手の上で踊らせる
・平和:胸の前で手のひらを下に向けてならべ、水平を描く様に手を左右に広げる
MVを見て「手話が使われている!」と気付いた人もいれば「もしかして手話なのかな?」と薄々感じており、後にこのメッセージに気付いたという人もいるようです。
また、SNSではこの曲を機会に手話に興味を持った人もいるとか。
世界中にファンがいるBTSだからこそ届けられるメッセージともいえるかもしれません。
このMVの中で国際手話が使われていることに対し、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は公式Twitterで「「#PermissiontoDance のMVに手話を取り入れてくれてありがとう、
@BTS_twt。世界で15億人が聴覚に障害があるなか、手話は暮らしの喜びをもたらす音楽を楽しむことを支えてくれます。」と感謝の意を述べています。(国連広報センター(UNIC)の翻訳より)
「#PermissiontoDance のMVに手話を取り入れてくれてありがとう、@BTS_twt 。世界で15億人が聴覚に障害があるなか、手話は暮らしの喜びをもたらす音楽を楽しむことを支えてくれます。」テドロス @WHO 事務局長 https://t.co/zEJbbopr1Y
— UNIC_Tokyo (@UNIC_Tokyo) July 12, 2021
BTSの新曲「Permission to Dance」手話の意味は?のまとめ
「楽しい」「踊る」「平和」の手話が取り入れられたパフォーマンスで話題になった「Permission to Dance」。
1億回の再生を突破したMVには、手話以外にも様々な仕掛けが隠れている様子です。
MV中に映し出される「Permission to Dance」の文字のうち、特定のアルファベットを抜き出して並び替えることで全く異なる意味の言葉を作り出すアナグラムが隠されており、残った文字を並べ替えると更に新たなメッセージになります。
オフィスのダンスシーンでは障害者を支援するワードが貼り出されており、歌詞に出てくるエルトン・ジョンは両性愛者であることを公表している、など…想像している以上に多くのメッセージが各所に散りばめられています。
冒頭でジョングクさんが空に放った「希望」の象徴・紫の風船は、最後にBTSメンバーの前を走り去る子どもたちの手に握られていました。
「希望」を手にした子どもたちが、明るく自由な未来へ向かっていくことを願ってやみません。


