NHK朝の連続テレビ小説、2021年後期の放送は 「カムカムエヴリバディ」 に決定しました。
第105作目にあたるこの作品は、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子の物語です。
昨年12月に発表されたばかりのキャストやあらすじをチェックしてみました。
来年後期の朝ドラ 「カムカムエヴリバディ」 キャストが発表
次々期放送予定の朝ドラ 「カムカムエヴリバディ」 のキャストが、昨年12月24日に発表され、注目されるヒロインの3人は、上白石萌音さん(22)、深津絵里さん(47)、川栄李奈さん(25) に決定しました。
上白石さんと川栄さんは、8月から行われた出演者オーディションで3061人の中から選ばれたそうです。
上白石さんと深津さんはこの作品が朝ドラ初出演!
ベテランの深津さんがこれまで朝ドラに出演がなかったのは意外でした。
高畑充希さんがヒロイン役をつとめた 「とと姉ちゃん」 に続き朝ドラ出演はこれが2作目になる川栄さんは、朝ドラのヒロインになるのが大きな夢だったそうで、毎回オーディションに参加していました。
今回その夢が叶い見事ヒロインの座を射止めました。
祖母の安子(やすこ)役を上白石さん、
母親のるい役を深津さん、
娘のひなた役を川栄さん
がそれぞれリレースタイルで演じます。
祖母役を一番若い上白石さんが演じるなんて意外ですが、どんな演技を見せてくれるのか楽しみです。
【ちょっと先ですが… #カムカム 】
2021年度後期の連続テレビ小説 #カムカムエヴリバディ 。3人のヒロイン・上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんからのメッセージです。
藤本有紀さんのオリジナル作品。
大正、昭和、平成、そして令和の物語です。https://t.co/cCf24nvFbv— NHK広報局 (@NHK_PR) January 5, 2021
「カムカムエヴリバディ」 キャスト注目の理由は?
今回キャストが注目されているのは、何といっても 「ヒロインが3人」 もいることです。
これは朝ドラ史上初めての試みという点で注目されています。
「ヒロイン役を複数の女優が演じた朝ドラ作品って、今までもあったのでは?」
気になって調べてみました。
3人のヒロインが出演していた作品は、1983年放送された傑作 「おしん」 があります。
戦中と戦後の混乱期を逞しく生きた女性の生涯を描いた作品で、最高視聴率62.9%を誇る、国民的ドラマでした。
少女期を小林綾子さん、青春期から成年期までを田中裕子さん、晩年を音羽信子さんが ヒロインの “おしん” をリレースタイルで演じています。
この作品はひとりのヒロインの生涯を3人の違う女優さんが、年代ごとに演じ分けている作品で、当時朝ドラ史上初として注目されました。
今回の 「カムカムエヴリバディ」 は、3人の違う女性をヒロインとし、それぞれを違う女優さんが演じている点が 「おしん」 とは異なり、朝ドラ初として紹介されています。
「カムカムエヴリバディ」 あらすじは?

この作品は2007年放送の朝ドラ 「ちりとてちん」 の脚本家、藤本有紀さんのオリジナルストーリーで、タイトルの 「カムカムエヴリバディ」 は当時の英語講座のオープニング曲からとったそうです。
かつて終戦直後の日本を席けんした平川唯一(ひらかわ・ただいち)講師のNHKラジオ英語講座・通称「カムカム英語」のオープニング曲のタイトルです。
「証城寺しょうじょうじの狸囃子たぬきばやし」のメロディーにのって、「カム♪カム♪エヴリバディ♪~」の歌が始まると日本中の子どもからお年寄りまでくぎづけになり、明るい声に励まされました。
そこには、戦後の重苦しい日本を「明るくしたい」という平川講師の願いが込められていました。
「カムカムエヴリバディ」の合言葉は、今を生きる私たちの未来をも切り開くパワーワードになる! と願いを込めて、タイトルにしました。
1925年 (大正14年)。日本でラジオ放送が始まった日に、岡山の和菓子屋で安子が生まれたところからストーリーは始まります。
和菓子屋を営む両親と幸せに暮らしていた安子ですが、彼女に試練が訪れます。
1937年には日中戦争が、1939年には第二次世界大戦が勃発。
安子が20歳になった年、1945年は東京が大空襲を受け、広島に原爆が落とされ終戦を迎えた年でした。
多くの国民が身体や心に深い傷と悲しみを受け、安子も例外ではなく多くのものを失います。
結婚し娘をもうけていた安子は、この戦争で夫を亡くすのですが、その後わけあって娘を日本に残し渡米します。
失意の中にいた安子を救ったのはラジオから流れてくる、英語講座でした。ラジオ英語講座によって安子は未来を切り開いていきます。
安子の娘、るいの物語は昭和30年代の大阪が舞台です。
母親を憎み、英語を憎んで育ったるいですが、ジャズソングと出会い、生きる希望を見つけます。
彼女の暮らしの中にもやはりラジオ英語講座が流れていました。
るいの娘で安子の孫にあたる、ひなたは令和を生きる現代っ子。
時代劇に憧れるひなたの物語は、京都から始まります。
平和な時代に生まれ育ち、飽きっぽく甘えん坊なところもあるひなたですが、彼女なりに悩みを抱え、壁にぶち当たります。
そして、ひなたもラジオ英語講座に自分の居場所を見つけます。
どの時代を生きるヒロインにも、苦悩や試練が立ちはだかりますが、彼女たちは奇しくも、ラジオから聞こえてくる英語講座を支えに、自分の力で乗り越えてたくましく生きていきます。
「カムカムエヴリバディ」 見どころは?

制作統括の堀之内礼二郎さんは、企画の段階で、コロナ禍の今自分たちのしていることが、不要不急なのではないか?と自問し、出演者オーディションを実施することを、あきらめようとしたこともあったそうです。
しかし、活躍の機会が失われ、多くの若者の未来が閉ざされてしまっている状況の中、夢をみること、そしてチャレンジすることをあきらめないでほしいと、
「今こそやるべきなのではないか」 と考え直し、心を奮い立たせて準備を進めていったそうです。
ヒロイン3人が直面する試練は、コロナ禍の私たちが直面している試練なのではないでしょうか。
彼女たちが苦難を乗り越え、たくましく生きていく姿に、きっと勇気がもらえるはずです!
撮影開始は2021年春頃とのこと。
無事に撮影が始まることを願うばかりです。